2014年3月15日土曜日

Chromiumの翻訳機能が使えなくなった

2月下旬ごろから、Chromiumに搭載されている翻訳機能がそのままでは使えなくなりました。
図のとおり、アクセス拒否されてしまい翻訳できません。

※2014/12/14 ChromiumのAPI Keysの内容が更新されていたので、このページも更新。

最近、Googleは締め出しを強化しているようです。

  1. Chrome Frame 終了
  2. Chrome ウェブストア以外の野良拡張機能が全て使用不可(Chromeのみ?)
  3. NPAPIプラグインの締め出し強化(Chrome 32から段階的に開始し、廃止へ)
  4. 翻訳機能の締め出し(APIキーがないChromium派生/利用ブラウザのみ影響)

1~3については、発表されている既定路線です。その是非については題目から反れるので触れません。

4について。
Chromiumの翻訳機能を利用する際にAPIキーが必須となったようです。
これに関する公式の告知は見つかりませんでした。

2014/12/14更新
ChromiumのAPIキーに関するページが更新され、次のように明記されていました。

Software distribution with keys acquired for yourself is allowed, but the keys themselves cannot be shared with parties outside the legal entity that accepted the API ToS. Keep in mind that a number of the APIs will have no or very limited quota and not all of the APIs have additional quota available for purchase.

取得済のAPIキーを付けたソフトを配布することは問題ないそうですが、APIキー自身はダメということだそうです。 ただ、配布できるとしても、2つの大きな壁があります。

1つは、APIの規約の問題。
ほとんどのAPI規約はAPIを使用するクライアントの開発、または個人使用にしか使えない規約になっています。 (例: Chrome Translate Element)
Developer ConsoleからAPIを有効にするとき以外にこの規約が表示されることはありません。APIを有効にした時点で同意したことになります。 厳密にどうなるかはわかりませんが、APIキーを付けたソフトはこれらのAPI規約も遵守しなければならない、ということになります。

もう1つは、APIキーの使用制限に関する問題。
APIキー1つにつき、APIの使用回数に上限があります。 たとえば、Googleの音声検索(トップページにある)はSpeech APIを利用しますが、1日に50回しか使えません。
使用回数を追加するのは有料ですが、有料オプションがないAPIも存在します。

これらが、Google Chromeとの大きな差になります。
Chromium派生ブラウザの対応は、TungstenのようにAPIキーを入れないで翻訳機能を隠したものもありますが 大体はその開発者が取得したAPIキーを入れておくことで翻訳機能の問題を回避したようです。 翻訳機能はAPIキーの制限に引っかからないのか、1日100件を超えても使えるらしいのですが、 いつ本来の制限回数になるのかはGoogle次第です。締め出す準備は既にできていると思ったほうがよいでしょう。

APIキーが入っていいないブラウザで翻訳機能が使えない問題を回避するには、以下の2つの方法があります。

回避策1

ブラウザの利用用途が個人利用であれば、一応回避策はあります。

ChromiumのAPIキーの説明によると、 Chromeが使用するAPI機能を有効にし、APIキーを入手して、使用するOSの環境変数にAPIキーを入れておくことで、 APIキー必須の機能が使えるようになります。翻訳は、1日あたり100リクエストまでできるそうです(Chromiumの翻訳機能が実際に制限の対象になるのかは不明)。


Developer Consoleから抜粋

しかし、ここまでしないと使えない機能となったため間違いなく不便であること、 APIキーを必要とする機能(翻訳など)はChromeの機能であってChromium派生を想定したものではないので、 いつ使えなくなっても文句を言えないことなど実用的とは言いがたいものです。

回避策2

Chromiumの内蔵機能をあきらめて、拡張機能を使用すれば翻訳できます。これが、現実的な回避策です。

おことわり

APIキーの規約は、2014/3/14に確認したものです。 規約が予告なく変更される可能性は十分ありますので、APIキーをご利用の際は必ず規約を読んでください。 当ブログの情報を鵜呑みしたことによる損害について、筆者は一切その責を負いません。

最後に、少し愚痴りたい。「やめる告知ぐらいしようよ・・・」