Tungsten Version 1.98をリリースしました。2014年最後の更新です。
起動時間短縮、プロセス間通信の高速化、Blinkエンジンのバージョンアップ、バグ修正を行いました。
旧バージョンとの混在に注意!
1.98のTungstenが起動している状態で1.97のTungstenを起動しようとすると、
新しいタブが1秒間隔で合計30個開いてしまいます。詳細は続き(旧バージョンとの互換性)を参照。
Blinkエンジンのバージョンアップ
Blinkエンジンを39.0.2171.95にバージョンアップしました。
以前のバージョンに引き続き以下のような独自修正を行っています。
- システムにインストールされたPPAPI Flashを認識するようにした
最近になってPPAPI版のインストールが単独でできるようになりましたが、素のChromium 39ではそれを認識しませんでした。
レジストリを参照することでバージョンが上がっても認識できるようにしています。 - アクティブでないブラウザウィンドウのチルトホイールイベントが正しく動作しないバグの修正
- DirectX11版のANGLEを無効化し、従来からあるDirectX9版にした(引数指定により実現)
39ではCanvasの描画不具合 (Canvas Perfなど) を抱えているのでまだDirectX11版を有効にはしません。 - SSL 3.0の無効化(引数指定により実現)
- HiDPI対応を無効化
Tungstenとの組み合わせによる相性問題を回避。 - 不要機能の削除(Google Now、Googleアカウント同期機能、Chromium固有のブックマーク、履歴、ブラウザオプションの一部など)
- コンパイラ最適化オプションを一部変更
旧バージョンとの互換性
プロセス間通信の高速化により、旧バージョンのTungstenが混在している環境で問題が起こる場合があります。
1.98のTungstenを実行している間に1.97以下のTungstenを起動しようとすると、クラッシュはしませんが
1秒に1個ずつ、計30個の新しいタブが開いてしまいます。
この現象が起きてしまった場合は、Tungstenを強制終了させるか、30秒間待ち続けるしかありません。
ポータブル版をご利用の方は特にご注意ください。
起動時間短縮、プロセス間通信の高速化
体感速度を上げるべく、起動時間を短くしたりTungstenと子プロセスとの通信を高速化しました。
以前のバージョンより若干速くなったと思います。
(試験機能)ローカルアプリの起動引数を記憶するように
ローカルアプリのフルパスだけでなく、起動時に渡した引数をお気に入りやクイックスタートの登録時、および状態復元時に覚えておくようにしました。
バグ修正
以下のバグを修正しました。
- タブの中身が空の場合にすべてのタブを閉じるとTungstenが異常終了する
- (試験機能)Tungsten実行中の場合に特定のアプリ(Meryなど)が異常終了する
- (試験機能)特定のアプリ(Timidityなど)の起動時に再描画が頻繁に発生する
- (試験機能)短時間に取り込み・終了が行われると正常にウィンドウを取り込めない
すでにTungstenをお使いの方は、デフォルトでTungstenの起動時に通知されるようになっています。
その指示に従ってダウンロード・インストールを行ってください。
ダウンロードページからダウンロード・インストールでもOKです。
いつもTungstenをご愛用いただき、感謝します。それでは、よいお年を。