Tungsten Version 2.05をリリースしました。
変更点
※Blinkエンジンの最新版、PGOビルド、x64版はフォーラムを覗くと何かあるかもしれません。
Windows 10対応
前回のブログ記事のとおり、 ストアアプリをタブ化対象外とする変更、およびデフォルトブラウザの設定方法の改良を行いました。
作業状態読み込み時にアクティブタブだけを読み込む機能を追加
作業状態の読み込みは、タブ数が増えると非常に高負荷になります。40タブ開くだけでもしばらく待たされます。 起動時の動作が「前回の状態を復元する」である場合もこの機能を使用しており、 大量のタブを開いたまま終了して再度起動すると起動に時間がかかることがあります。
この問題を解消するために、アクティブタブだけを読み込み、それ以外のタブは読み込まずに保留状態になる機能を追加しました。 これにより、作業状態の読み込みにかかる時間がより短くなります。
この機能はデフォルトで有効です。従来の動作に戻したい場合は、ブラウザ設定の該当項目のチェックボックスを外してください。
起動時の動作に「特定のホームページ」を追加
ブラウザ設定の起動時の動作に、特定のホームページを開く設定を追加しました。
ホームページは、現在開いているタブ状態、もしくはアクティブタブのみをホームページとして設定することが可能です。
どのホームページを設定したかわかるように、ツリービューで参照できるようにしています(※)。
※ツリービューから編集できるようにすると大変になるので、参照専用とさせていただきました。これは仕様ということで、ご了承ください
Blinkエンジンのバージョンアップ
Blinkエンジンを44.0.2403.157にバージョンアップしました。
Chromium 42からNPAPIプラグインが既定で無効になりましたので、必要な場合は試験運用機能(chrome://flags/#enable-npapi)にて有効化してください。なお、次のメジャーバージョンである45からは一切使用できなくなりますので、ご了承ください。
Tungstenでは、以下のような独自修正を行っています。
- アクティブでないブラウザウィンドウのチルトホイールイベントが正しく動作しないバグの修正
- 不要機能の削除(Google Now、Googleアカウント同期機能、Chromiumアンインストーラー、翻訳、Chromium固有のブックマーク、履歴、ブラウザオプションの一部など)
- ブラウザ終了時のレジストリ書き込みを抑止
Chromium 41から、ブラウザが終了する度にレジストリ書き込みが行われるようになっています。
クラッシュの原因調査の一環で用意された機能だと思われますが、Tungstenには不要(※)なので、該当処理を削除しました。
※Chromeにはクラッシュ時にクラッシュダンプとこの機能で取得したデータを含めてGoogleに送信する機能がありますが、 Chromiumにはなく、活用できないため - chrome_watcher.dllの依存関係を削除
上記のレジストリ書き込み抑止と同様、クラッシュの原因調査関連機能なので削除しました。 - デフォルトのプロファイル(--user-data-dir)のフォルダー位置をTungstenが使用する場所に変更
- パスワード保存確認を情報バーに表示させるように変更
- コンパイラ最適化オプションを一部変更によるわずかな高速化
バグ修正
以下のバグを修正しました。
- 作業状態読み込み時に、保存時のアクティブタブの再現ができない
- Tridentエンジンでブラウザベンチマークを実行中にスタックオーバーフローでクラッシュする
- タブを閉じた時のGDIリソースの解放漏れ
- アドレス検索バーの検索時に"www"で始まっているとデフォルトブラウザが起動する
- サジェストウィンドウが一度隠れると文字入力以外では二度と再表示できない
- IEのお気に入りのサブフォルダー以下の項目が表示できない
- 作業状態の削除、名前の変更ができない
- その他、細かなバグ
すでにTungstenをお使いの方は、デフォルトでTungstenの起動時に通知されるようになっています。
その指示に従ってダウンロード・インストールを行ってください。
ダウンロードページからでもOKです。